風邪をひいたときにドラッグストアでよく目にする「総合感冒薬」。
でも、高血圧の方にとっては、市販薬の中に血圧を悪化させる成分が潜んでいることも…。この記事では、
- 高血圧の方が避けるべき成分とその理由
- 比較的安全に使えるOTC風邪薬
- 薬局での選び方のコツと注意点
を分かりやすくまとめました!
高血圧の人が風邪薬を選ぶ際の注意点とは?
高血圧の方が市販の風邪薬を選ぶ際には、特に以下の点に注意が必要です。
- 血圧を上昇させる成分(プソイドエフェドリン・カフェインなど)を含む薬は避ける。
- 「鼻づまりに効く」「眠くならない」などの文言がある薬は、交感神経刺激成分が含まれていることが多いため要注意。
- 解熱・鎮痛成分として「アセトアミノフェン」を含む薬を優先的に選ぶ。
高血圧の人が避けたい主な成分
成分名 | 作用 | 高血圧への影響 |
---|---|---|
プソイドエフェドリン | 血管収縮・鼻づまり緩和 | 血圧を上げるリスクがある |
カフェイン | 鎮痛補助・眠気防止 | 交感神経刺激により血圧上昇のリスク |
イブプロフェン、ロキソプロフェン(NSAIDs) | 解熱鎮痛薬 | 長期使用や高用量で腎臓に負担&血圧上昇のおそれ |
麻黄(漢方薬成分) | 咳止め・発汗 | エフェドリンを含み血圧上昇の可能性 |
甘草(漢方薬成分) | 炎症抑制・咳止め | 継続使用で偽アルドステロン症のリスク |
偽アルドステロン症とは?
甘草(グリチルリチン酸など)を長期間または多量に摂取すると、カリウムが低下し、
- 顔や足のむくみ
- 血圧上昇
- 倦怠感
などが起きることがあります。これが「偽アルドステロン症」です。 高血圧の人にとっては特に注意すべき副作用です。
正直上記の成分をすべて避けてOTCを使うのはなかなか厳しいと思います。いずれかは入っている可能性が高いです。あくまでも血圧が上がる可能性があるので注意してくださいということです。
高血圧の方にも比較的安全な成分は?
- アセトアミノフェン(解熱鎮痛)
- トラネキサム酸(炎症抑制)
- ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン、眠気あり)
- ムコダイン(去痰薬)
では、高血圧の方が全員がこういった安全な成分を選ばなければいけないかというとそういう訳では勿論ないです。高血圧の方でもロキソニンを飲んだり、インフルエンザの時に麻黄湯を飲んだりしています。
あくまでも先ほどの成分が入っていることで血圧が上がる可能性があるという注意になります。あまりに過敏になる必要もないと思っています。
(血圧がとても高かったり、不安定な方はより慎重になったほうがいいのは確かです。)
【薬剤師おすすめ】高血圧の人でも安心して使える市販風邪薬
総合感冒薬
パブロンSゴールドW錠 (大正製薬)
- 主成分:アンブロキソール、L-カルボシステイン、ジヒドロコデインリン酸塩、アセトアミノフェン、クロルフェニラミンマレイン酸塩
- 特徴:エフェドリン無配合。去痰や咳止め、解熱鎮痛、鼻水など風邪症状を網羅。
新ルルA錠s(第一三共ヘルスケア)
- 主成分:アセトアミノフェン、クレマスチンフマル酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、ノスカピン、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、グアヤコールスルホン酸カリウム 、無水カフェイン
- 特徴:かぜの11症状すべてにすぐれた効き目を発揮
パイロンPL錠(シオノギヘルスケア)
- 主成分:サリチルアミド、アセトアミノフェン、無水カフェイン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩
- 特徴:鼻や痛み、熱に特化した風邪薬
解熱鎮痛剤
カロナールA(第一三共ヘルスケア)、タイレノール(アリナミン製薬)
- 主成分:アセトアミノフェン
- 特徴:胃にやさしく、高血圧や妊婦さんでも使いやすい
去痰・咳止め
ムコダイン去たん錠(シオノギヘルスケア)
- 主成分: L-カルボシステイン
- 特徴:医療用と同量の有効成分※を配合。しつこい「たん」に。
メジコンせき止め錠(シオノギヘルスケア)
- 主成分: デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
- 特徴:医療用と同成分・同量配合のせき止め薬
鼻水
タリオンAR(田辺三菱製薬)
- 主成分: ベポタスチンベシル酸塩
- 特徴:鼻水、くしゃみに特化した薬
よくある質問(Q&A)
Q1. 高血圧なのに風邪薬を飲んでしまった…
A. 1回飲んだだけなら、重篤な問題が出ることは少ないですので、その後の体調変化を確認しましょう。
Q2. 市販薬で血圧が上がった気がするのですが?
A. 使用を中止してすぐに医師の診察を受けましょう。特に動悸や頭痛がある場合は注意。
Q3. 漢方薬は高血圧でも安心ですか?
A. 麻黄や甘草を含む処方は血圧に影響するため、長期の服用は避けてください。
Q4. 鼻づまりをどうにかしたいが薬が使えない…
A. 鼻腔洗浄や蒸気吸入、加湿器使用などの非薬物療法も検討しましょう。
まとめ:高血圧でも使える風邪薬の選び方
- 解熱鎮痛にはアセトアミノフェンが第一選択
- 鼻づまり系成分(プソイドエフェドリン・麻黄)を避ける
- 甘草にも注意。漢方薬も成分確認を
- 迷ったときは必ず医師、薬剤師に相談
- 血圧が安定しない時は市販薬の自己判断使用は控える