肩こりに悩まされている人は非常に多く、原因や症状もさまざまです。肩の張りや重さ、首筋までの痛み、頭痛を伴う場合もあります。
この記事では、薬剤師の視点から市販薬に含まれる成分の違いや効果、選び方をわかりやすく解説し、代表的な市販薬を紹介します。肩こりのタイプやライフスタイルに合わせて、自分に合った製品を見つけましょう。
目次
肩こりの主な原因と種類
原因 | 説明 |
---|---|
筋肉の緊張 | 長時間の同じ姿勢、パソコンやスマホ作業による負荷 |
血行不良 | 運動不足、冷え、ストレスによって筋肉の血流が滞る |
ストレス | 精神的な緊張が筋肉を収縮させる |
姿勢の悪さ | 猫背や反り腰が肩・首まわりの負担になる |
目の疲れ | デスクワークやスマホによる眼精疲労が肩の緊張を引き起こす |
肩こり市販薬に含まれる主な成分とその働き
成分名 | 主な作用 | 特徴・詳細 |
インドメタシン | 消炎鎮痛 | 炎症を抑え、筋肉や関節の痛みを和らげる。即効性あり。皮膚への刺激はやや強い場合も。 |
フェルビナク | 消炎鎮痛 | 肌に優しく、関節や筋肉の深部まで届く。長時間作用するタイプが多い。 |
ロキソプロフェン | 消炎鎮痛 | 肌に優しく、つらい痛みの芯まで届く。 |
ジクロフェナクナトリウム | 強力な消炎鎮痛 | 鎮痛力が強く、肩・腰の慢性痛に向く。貼付剤・ゲル剤に使用。 |
サリチル酸 | 血行促進+鎮痛 | 軽度な炎症・痛みに効果。メントールやカンフルと併用されることが多い。 |
メントール | 冷感刺激 | 清涼感を与えつつ血行促進。即時効果を感じやすいが、持続力はやや短め。 |
カプサイシン | 温感刺激・血行促進 | トウガラシ由来成分。慢性的なこりや冷えを伴う症状に効果。 |
ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル) | 末梢血行改善 | 血流を促進し、筋肉疲労を緩和。皮膚トラブルが少ない。 |
代表的な肩こり市販薬(貼り薬)7選
- フェイタスZαジクサス
- 成分:ジクロフェナクナトリウム2.0%、メントール
- 特徴:強力な鎮痛効果、慢性肩こりや頑固な痛みに
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- バンテリンコーワパットEX
- 成分:インドメタシン1.0%、アルニカチンキ、メントール
- 特徴:運動後や筋肉疲労時の肩こりにも対応
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- サロンパスEX
- 成分:インドメタシン3.5%、メントール
- 特徴:インドメタシンを3.5%配合、慢性的なこりにおすすめ
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- ロキソニンSテープ
- 成分:ロキソプロフェンナトリウム
- 特徴:1日1回。刺激が少なく使いやすい
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- 温感フェイタス
- 成分:フェルビナク、メントール、ビタミンE
- 特徴:温めて血行を促進、冷えによる肩こり向け
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- サロンパス
- 成分:サリチル酸メチル、メントール、ビタミンE
- 特徴:マイルドな効き目で、疲れた筋肉のコリや痛みをほぐす。
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- エレキバン130
- 成分:磁石による磁気治療
- 特徴:磁石のため副作用の心配もほぼなし。じんわりと肩こりを和らげる
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使用上の注意と副作用
- 皮膚のかぶれや赤みが出た場合は使用を中止してください。
- 妊婦・授乳中の方は、非ステロイド系消炎鎮痛薬の使用を避けましょう。
- 同成分を含む経口薬との併用は避けてください(例:ロキソニン内服薬+ロキソニンテープ)。
特別な注意が必要な方
- 子ども:メントールやカプサイシン成分は刺激が強い場合があるため注意が必要。
- 高齢者:皮膚が薄いため、副作用が出やすい。パッチ型よりゲルやローションが安全。
- 妊婦:インドメタシン・ジクロフェナクなどのNSAIDsは妊婦には使わないため医師に相談。
まとめ:成分を理解して自分に合った肩こり薬を選ぼう
肩こり薬の選び方は、「症状の強さ」や「ライフスタイル」、「使いやすさ」などで変わってきます。
- 炎症が強いタイプには → インドメタシン・ジクロフェナク、ロキソプロフェン
- 肌が敏感な方には → フェルビナクやロキソプロフェン配合
- 冷えからくる肩こりには → 温感タイプ
- 妊娠中・授乳中の方は → ビタミンE主体や磁気治療薬を検討
正しい成分理解と使用で、慢性的な肩こりもラクになります。
この記事は一般的な情報を提供するものであり、個別の症状に関しては医師・薬剤師にご相談ください。