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【薬剤師監修】足のつり(こむら返り)の悩みを徹底解説|原因・市販薬・サプリ・セルフケアまとめ

夜中に突然ふくらはぎが硬直して強烈な痛みに襲われた経験はありませんか?
「足がつる(こむら返り)」は多くの人が悩まされる症状で、特に 夜間・運動中・高齢者・妊婦 に起こりやすいものです。

一瞬で治まることもあれば、数分間続いて動けなくなるケースもあります。
また頻繁に起こる場合、単なる疲れや水分不足だけでなく、 電解質バランスの乱れ、血流不良、疾患のサイン の可能性もあるため注意が必要です。

本記事では、足のつりの原因から、市販薬・サプリメント・おすすめグッズ、さらに生活習慣改善のポイントまで徹底的に解説します。
「足がつって眠れない」「運動すると必ず足がつる」という方に役立つ情報をまとめました。

目次

足がつるとは?その状況とメカニズム

「足がつる(こむら返り)」とは、筋肉が自分の意思とは関係なく 急激に収縮して強い痛みを伴う現象 のことを指します。特にふくらはぎの筋肉(腓腹筋)に多く見られるため「こむら返り」と呼ばれますが、足の裏や太もも、指などにも起こることがあります。

どんな状況で起こる?

  • 夜間や睡眠中
    就寝中に突然ふくらはぎが硬直して目が覚める、というのが典型的なケースです。体が休んでいるときに筋肉が誤作動しやすいことが原因と考えられています。
  • 運動中・運動後
    マラソン、サッカー、登山、ジムでのトレーニングなどで発生します。汗で電解質を失い、筋肉疲労が蓄積すると起こりやすくなります。
  • 長時間の同じ姿勢
    デスクワークや立ち仕事などで血流が悪くなり、筋肉に必要な酸素や栄養が不足することで痙攣が生じます。
  • 妊娠中
    ホルモンバランスの変化や血流の変化、栄養需要の増加によって足がつりやすくなります。特に妊娠後期は頻度が高いといわれています。
  • 高齢者
    加齢によって筋肉量や神経機能が低下し、ちょっとした刺激で筋肉が過剰に収縮してしまうため、頻度が増えます。

メカニズム(なぜ筋肉が勝手に収縮するのか)

筋肉の動きは、神経からの電気信号によってコントロールされています。通常、筋肉は 収縮と弛緩のバランス によってスムーズに働きますが、この仕組みが乱れると痙攣が起きてしまいます。

  • 電解質バランスの乱れ
    カルシウム・マグネシウム・カリウム・ナトリウムは、筋肉の収縮と弛緩を調整する重要なミネラルです。
    特にマグネシウム不足は「筋肉がリラックスできず収縮したまま固まる」状態を引き起こします。
  • 血流不足
    筋肉に十分な酸素や栄養が届かないと、正常な動きができず痙攣が起きやすくなります。冷えや長時間の同一姿勢が原因になります。
  • 神経の誤作動
    過労や加齢、疾患によって神経の伝達が乱れると、必要のない収縮指令が筋肉に送られてしまいます。

足のつりの原因とは?

足の筋肉が急に収縮して強い痛みを伴うのが「つる」現象です。主な原因は以下の通りです。

  • ミネラル不足(特にマグネシウム・カルシウム・カリウム)
  • 水分不足や脱水(汗をかいた後、利尿剤使用時など)
  • 冷えや血行不良
  • 過度な運動や筋肉疲労
  • 加齢による筋肉量・神経機能の低下
  • 妊娠中のホルモン変化やミネラル需要増加
  • 糖尿病・肝疾患・腎疾患・脊椎疾患などの基礎疾患

足のつりに効く市販薬・サプリメント

ここでは薬局や通販で購入できる OTC医薬品・サプリメント を紹介します。
それぞれの成分や特徴を解説するので、自分に合うものを選びやすくなります。

漢方薬(OTC医薬品)

  • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
    • 成分:芍薬・甘草
    • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、こむら返りの治療に広く使われている漢方薬です。特徴的なのは、体質改善を目的とする多くの漢方薬と違い、症状に対して速効性が期待できる点です。
    • 速効性について
      芍薬甘草湯は、配合されている「芍薬」と「甘草」が筋肉の緊張をゆるめ、痛みをやわらげる働きを持つため、足がつったときに服用すると数分〜数十分で効果を実感できることがあるとされています。そのため、夜間のこむら返りや運動中の急な筋痙攣に対してもよく用いられます。
    • 使用のポイント
      足がつりやすい方は、つりそうなタイミングで前もって服用する方法もあります(例:就寝前や運動前)。
      ※常用する場合は、高血圧やむくみ、低カリウム血症などの副作用(甘草由来)に注意が必要です。

ビタミン・ミネラル系サプリ

  • カルシウム・マグネシウム複合サプリ
    • 相互に作用し、筋肉の収縮と弛緩を正常化。
    • マグネシウムは筋肉の興奮を抑え、神経伝達をスムーズにする役割を持っています。
      不足すると、筋肉が過敏になり、足がつる、まぶたがピクピクするなどの症状が出やすくなります。
      成人男性:1日約340〜370mg
      成人女性:1日約270〜290mg
      これは日本人の食事摂取基準(厚生労働省 2025年版)に基づく数値です。
      例えば、ほうれん草のおひたし1皿(約70g)で約70mg、アーモンド30gで約90mgのマグネシウムを摂取できます。
    • カルシウムは筋肉の収縮に直接関わるミネラルで、骨の健康維持にも不可欠です。
      不足すると、筋肉の働きが乱れ、こむら返りを起こしやすくなります。
      成人男性:1日約700〜800mg
      成人女性:1日約650mg
      牛乳コップ1杯(200ml)で約220mg、ししゃも3尾で約200mg程度のカルシウムが摂取できます。
  • カリウム補給サプリ
    • 過剰摂取注意だが、脱水や偏った食事で不足しがち。

      ※日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人男性で 3,000mg/日以上、成人女性で 2,600mg/日以上 の摂取が推奨されています。通常の食生活ではむしろ不足しがちですが、サプリを利用する場合は 過剰摂取を避けるために上限量(概ね3,000〜4,000mg程度)を超えない ように注意が必要です。
  • ビタミンB群
    • 神経伝達と筋肉機能の維持に必要。特にB1不足はこむら返りの原因に。
    • 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、以下の摂取量が推奨されています。
      ビタミンB1:男性 1.2 mg/女性 0.9 mg
      ビタミンB6:男性 1.4 mg/女性 1.2 mg
      ビタミンB12:男女ともに 2.4 μg
      ※これらはあくまで健康維持に必要な量であり、足のつりを予防するために特別に大量摂取する必要はありません。むしろ、過剰に摂っても尿から排出されやすい性質があります。

足のつり対策に役立つグッズ

  • 着圧ソックス・弾性ストッキング
    • 着圧ソックス・弾性ストッキングは、足首からふくらはぎにかけて段階的に圧力をかける設計になっています。
    • 足首部分を強く、ふくらはぎにかけて徐々に弱めていく「段階的着圧」が、血液を心臓に押し戻すポンプ作用を助けます。血流がスムーズになることで、筋肉の酸素不足や疲労物質の蓄積を防ぎ、つりの予防につながる
    • 就寝中や運動時に効果的
      夜間のこむら返りは血流低下が大きな原因のひとつ。着圧ソックスを就寝時に使用することで、足の血行をサポートし、発生を減らすことができます。
  • フットマッサージャー
    • 脚全体をブーツ型のカバーで覆い、内蔵されたエアーバッグが順番に膨らんだりしぼんだりすることで、まるで人の手でマッサージされているかのような感覚を得られます。
      → これにより、血行促進・老廃物の排出サポート が期待できます。

対応の診療科

足のつりが頻発する場合は、以下の診療科に相談を。

  • 内科:全身性の病気(糖尿病、肝疾患、腎疾患)を疑う場合
  • 整形外科:腰椎疾患や坐骨神経痛による場合
  • 婦人科:妊娠中のこむら返りがつらい場合
  • 神経内科:神経障害が疑われる場合

生活習慣でできるセルフケア

  • 就寝前のストレッチ
  • 水分・電解質のこまめな補給
  • 冷え予防(靴下・入浴)
  • バランスのとれた食事(特に野菜・果物・乳製品・魚類)
  • 適度な運動で筋肉量維持

よくある質問(Q&A)

Q1. 芍薬甘草湯は毎日飲んでも大丈夫?
A. 長期連用はカリウム不足や副作用(偽アルドステロン症)を起こす可能性があるため、医師や薬剤師に相談を。

Q2. 夜中に足がつったとき、すぐにできる対処法は?
A. ふくらはぎを伸ばすストレッチ、足首を上に曲げる、温めることで緩和できる。

Q3. 妊婦がサプリを飲んでもいい?
A. 妊娠中はマグネシウム・カルシウムが不足しやすいが、自己判断は危険。必ず産婦人科に相談を。

Q4. 運動中に足がつるのを防ぐには?
A. ウォーミングアップとクールダウンを徹底し、水分・電解質を補給することが重要。

Q5. 足のつりは病気のサインのこともある?
A. 頻発する場合、糖尿病・肝疾患・腎疾患などの可能性があるので受診を。

まとめ

足のつり(こむら返り)は一時的な筋肉の痙攣ですが、頻発する場合は 栄養不足・冷え・病気のサイン の可能性があります。
市販薬では 芍薬甘草湯 が即効性あり、サプリでは マグネシウム・カルシウム・ビタミンB群 が効果的です。
生活習慣改善やグッズを併用することで再発予防が期待できます。

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