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【薬剤師監修】発毛剤と育毛剤の違いとは?おすすめ市販品徹底ガイド

「薄毛が気になってきたけど、何を使えばいいかわからない…」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

市販で手に入るアイテムには「発毛剤」や「育毛剤」など様々な種類がありますが、両者の違いを理解せずに使っている方も少なくありません。

この記事では、薬剤師の立場から「発毛剤と育毛剤の違い」をわかりやすく解説し、目的に合ったおすすめの市販品を紹介していきます。

目次

【発毛と育毛の違い】

【発毛=毛を生やすアプローチ】

発毛とは、「毛が生えていない頭皮」から新しく毛を生やすことを目的としたアプローチです。
たとえば、男性型脱毛症(AGA)でツルツルになってしまった頭皮から再び毛を生やすためには、毛母細胞を刺激する強力な成分(例:ミノキシジル)が必要になります。

この発毛は、毛根がまだ死滅していないことが前提であり、完全に消失している場合は医療的な対応が必要です。

※毛母細胞とは:
毛母細胞は、毛根の最下部にある「毛球部(もうきゅうぶ)」という部分に存在しており、分裂と増殖を繰り返すことで、髪の毛をつくる役割を担っています。具体的には、以下のような働きをしています

①髪を“生み出す”細胞
毛母細胞が細胞分裂をすることで、角化が進み、**ケラチンタンパク(髪の主成分)**を含んだ細胞が上へと押し上げられていきます。それが髪の毛として頭皮から出てくる仕組みです。

②髪の太さや質に影響
毛母細胞の活性度によって、髪の太さ・硬さ・ツヤ・伸びるスピードが決まります。毛母細胞が活発であれば健康な髪が育ちますが、弱っていると細くて抜けやすい髪になります。

【育毛=既存の毛を太く・健康に保つケア】

一方の育毛は、「いま生えている髪を細く・弱くしない」ことを目的としたアプローチです。
薄毛予防として最も有効で、髪のハリ・コシ・ボリュームを保つために使用されます。

育毛剤には頭皮の血行促進成分や保湿成分、抗炎症成分などが配合され、日々のケアに取り入れることで将来的な薄毛リスクを抑えることができます。

【薄毛・抜け毛の主な原因】

【男性型脱毛症(AGA)】

男性の薄毛で最も多いのが「AGA(Androgenetic Alopecia=男性型脱毛症)」です。
この症状は男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」が毛根に作用し、毛の成長サイクルを乱すことで徐々に毛が細くなり、最終的には毛が抜けてしまうのが特徴です。

AGAは進行性のため、早期の対策が非常に重要です。

【女性のFAGA】

女性にも「FAGA(女性男性型脱毛症)」という似た症状があります。
加齢やホルモンバランスの変化により、髪のボリュームが減少し、分け目が目立ってくるなどの特徴があります。

FAGAは男性ほど急激な脱毛にはなりにくいものの、見た目の印象に大きく関わるため、対策が必要です。

【ストレス・生活習慣・栄養不足】

薄毛はホルモン以外にも、以下のような生活要因で進行する場合があります:

  • ストレス過多(円形脱毛症の原因にも)
  • 睡眠不足や慢性的な疲労
  • ビタミン・ミネラル不足(特に亜鉛・鉄)
  • 喫煙や過度な飲酒

これらの要因を見直すことで、薄毛の進行を遅らせることができます。

脱毛症タイプ主な特徴発症部位原因推奨される対策
AGA(男性型脱毛症)生え際・頭頂部が徐々に薄くなるM字・頭頂部DHT(ジヒドロテストステロン)フィナステリド、ミノキシジルの使用
円形脱毛症突然10円玉サイズの脱毛が現れる頭部の一部(複数箇所も)自己免疫疾患、ストレス皮膚科での治療(ステロイド注射など)
FAGA(女性型脱毛症)全体的に髪が細くなりボリュームが減る頭頂部〜全体女性ホルモンの減少、加齢育毛剤、ホルモン治療、生活習慣改善
牽引性脱毛症髪の引っ張りによる生え際の後退額周辺髪型(ポニーテールなど)髪型の変更、頭皮マッサージ
脂漏性脱毛症頭皮の炎症やかゆみとともに脱毛全体的皮脂の過剰分泌、マラセチア菌薬用シャンプー、皮膚科治療

【発毛・育毛に使われる代表的な成分とその効果】

発毛・育毛対策に使用される成分は数多くありますが、その中でも特に効果が高いとされている成分を紹介します。

【ミノキシジル】

【血管拡張作用による毛母細胞の活性化】

ミノキシジルは、国内で唯一発毛効果が認められた外用薬成分です(例:リアップ、スカルプD メディカルミノキ5 など)。

そのメカニズムは、頭皮の血管を広げて血流を促進し、毛根に栄養を届けるというもの。
これにより、休止していた毛母細胞が活性化され、再び毛が生えるようになります。

発毛を希望する場合、最も使用される成分の一つです。

【副作用や注意点】

ミノキシジルは医薬品であり、以下の副作用が報告されています:

  • 頭皮のかゆみ・発疹
  • フケの増加
  • 一時的な抜け毛(初期脱毛)

また、心臓や血圧に影響を与える可能性があるため、持病がある方は使用前に医師や薬剤師に相談することが大切です。

【フィナステリド】

【DHT(ジヒドロテストステロン)抑制の仕組み】

フィナステリドは、AGAの原因である「DHT」の産生を抑える働きがあります。
DHTは、テストステロンが5αリダクターゼという酵素によって変換されたホルモンで、これが毛根にダメージを与えます。

フィナステリドはこの酵素の働きをブロックし、脱毛の進行を止めることができます。

【副作用・使用時の注意点】

フィナステリドは基本的に医療機関での処方薬ですが、副作用として以下が報告されています:

  • 性欲減退・勃起不全
  • 抑うつ症状
  • 肝機能への影響

女性は服用できません(特に妊婦への影響があるため要注意)。
また、効果が出るまでに3〜6ヶ月かかることが一般的です。

【その他の育毛成分】

【ノコギリヤシ】

ノコギリヤシは天然成分で、5αリダクターゼの働きを弱めることが示唆されています。
サプリメントや育毛剤の成分として使用され、比較的副作用が少ないのが特徴です。

【アデノシン】

アデノシンは資生堂が開発した育毛成分で、毛母細胞の分裂を促進する作用があります。
血行促進作用と毛髪の成長サイクルを整える効果があり、女性用育毛剤にも多く使用されています。

【カフェイン・センブリエキスなど】

これらは血行を促進し、頭皮環境を整えることによって抜け毛を予防します。
特にセンブリエキスは、昔から和漢成分として育毛剤に利用されてきた実績があります。

発毛剤と育毛剤の違いを徹底解説

【発毛剤とは?】

  • 作用の中心:毛を“生やす”成分が含まれている
  • 医薬品に分類され、効果が認められた成分(ミノキシジルなど)を配合
  • 薄毛が進行している人に向いている
  • 男性向け・女性向けに分類あり

【育毛剤とは?】

  • 作用の中心:毛を“育てる”成分が中心
  • 医薬部外品(スカルプケア)に分類され、予防やケア目的
  • 抜け毛が気になる初期段階の人におすすめ
  • 刺激が少なく、敏感肌の人でも使いやすい
種類目的分類主な成分向いている人
発毛剤毛を生やす医薬品ミノキシジルなど毛量が減ってきた人
育毛剤毛を育てる・抜け毛予防医薬部外品センブリエキス、グリチルリチン酸など抜け毛が気になる人

市販の発毛剤おすすめ一覧(ミノキシジル配合)

※以下の商品はすべてミノキシジル配合の医薬品で、発毛を目的としています。

【大正製薬】リアップX5チャージ(男性用)

  • 主成分:ミノキシジル5%
  • その他成分:ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)、ヒノキチオール、パンテノールを含む7種類配合(ミノキシジルを含めたら8種類)
  • 使用感:液体タイプで使いやすい
  • 使い方:1日2回、1mlを専用ノズルで頭皮に塗布して指の腹でなじませます。朝晩が基本です。
  • 特徴:毛母細胞を活性化させるパンテノールも配合
  • おすすめの人:本格的な薄毛・AGAに悩む男性。
  • 注意:毛髪が成長するには時間がかかります。効果がわかるようになるまで、少なくとも4ヵ月間毎日続けてご使用ください。

【アンファー】スカルプD メディカルミノキ5プレミアム(男性用)

  • 主成分:ミノキシジル5%
  • その他成分:ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)、メントール(ミノキシジルを含めたら4種類)
  • 使用感:頭皮のベタつきが少ない
  • 使い方:1日2回、乾いた頭皮に1mlずつ塗布し、手でやさしくなじませます。
  • 特徴:リアップのジェネリック的位置づけ。肌刺激が少なめ。
  • おすすめの人:価格を抑えたいが、しっかりした効果を得たい人。
  • 注意:毛髪が成長するには時間がかかります。効果がわかるようになるまで、少なくとも4ヵ月間毎日続けてご使用ください。

【大正製薬】リアップリジェンヌ(女性用)

  • 主成分:ミノキシジル1%
  • その他成分:トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)、パンテノール、メントール
  • 使用感:ミストタイプで手軽に使える
  • 使い方:1日2回、1回1mlを頭皮にスプレーし、指でなじませてください。
  • 特徴:女性炎症
  • おすすめの人:本格的な薄毛・AGAに悩む男性。
  • 注意:効果がわかるようになるまで、少なくとも6ヵ月間毎日続けてご使用ください。

育毛剤おすすめ市販品(スカルプケア・予防目的)

【第一三共ヘルスケア】カロヤン プログレ EX O(男性用)

  • 有効成分:カルプロニウム塩化物
  • 特徴:頭皮や毛根における血行促進作用を高め、発毛促進。
  • おすすめの人:薄毛対策をしっかり行いたい方。

【資生堂】アデノゲンEX(男性用)

  • 有効成分:アデノシン
  • 特徴:毛根に直接作用し、発毛促進。
  • おすすめの人:初期の薄毛、脱毛予防。

【アンファー】スカルプD 薬用育毛トニック(男性用)

  • 有効成分:タマサキツヅラフジアルカロイド、グリチルリチン酸ジカリウム、酢酸DL‐α‐トコフェロール
  • 特徴:スカルプD独自開発成分「豆乳発酵液(保湿)」など、8種の頭皮ケア成分配合。
  • おすすめの人:頭皮のベタつきやかゆみが気になる人。

【花王】セグレタ 育毛トニック(女性用)

  • 有効成分:t-フラバノン、センブリエキス
  • 特徴:髪の成長サイクルの乱れに着目した育毛剤。
  • おすすめの人:加齢による髪のボリュームダウン対策に。分け目やつむじが気になる方。

【ロート製薬】50の恵 髪ふんわりボリューム育毛剤

  • 有効成分:パントテールエチルエーテル、センブリエキス、ニンジンエキス
  • 特徴:和漢植物成分で頭皮をやさしくケア。50種類の養潤成分と髪つやオイル配合
  • おすすめの人:低刺激な自然派ケアをしたい方。

体験談・口コミ

発毛剤・育毛剤は日々進化していますが、「本当に効果があるの?」「副作用が心配…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、実際に使用した方々のリアルな口コミ・体験談をもとに、発毛・育毛剤のメリット・デメリットを客観的に紹介します。

良い口コミ

使用3ヶ月で抜け毛が減った

「ミノキシジル5%配合の発毛剤を使い始めて3ヶ月ほど経ちました。最初の1ヶ月は正直変化を感じませんでしたが、2ヶ月を過ぎたあたりから“あれ?抜け毛が減った?”と実感。今では朝起きたときの枕に落ちてる髪の量が明らかに減っています。」
(40代男性・会社員)

発毛剤は即効性があるわけではなく、最低でも3ヶ月以上の継続使用が効果のカギです。特に「抜け毛の減少」から始まり、徐々に発毛につながるケースが多く報告されています。

髪にコシが出てきたという声多数

「以前は髪が細くてペタッとなっていたのですが、最近は“髪にハリが戻ってきた”と美容師さんにも言われました。使用しているのは、センブリエキスとアデノシン配合の育毛トニックです。育毛剤でも、ここまで実感できるんだと驚いています。」
(30代女性・主婦)

育毛剤の目的は“今ある毛を太く・健康に保つこと”。髪のハリ・コシ・ボリューム感が改善されたという声は非常に多く、女性のFAGA対策にも適しています。

悪い口コミ・副作用

かゆみ・かぶれがあった

「使い始めて1週間ほどで、頭皮に軽いかゆみを感じました。ミノキシジルの影響かと思い使用を中断。かゆみは治まりましたが、敏感肌の私には少し刺激が強かったようです。」
(50代男性・公務員)

ミノキシジルは高い発毛効果がある一方、副作用として“かゆみ・かぶれ・湿疹”などが起こる場合もあります。肌が弱い方は、低刺激タイプの育毛剤や、パッチテストの実施をおすすめします。

効果が出るまで時間がかかる

「半年使っても“ふさふさ”にはなっていません。正直、もっと早く生えてくるかと思っていたので少し残念。根気よく続けるしかないですね。」
(40代男性・自営業)

発毛・育毛の効果を高めるために気を付けたい生活習慣

発毛剤・育毛剤を使っても、生活習慣が乱れていると効果が十分に得られないことがあります。ここでは、髪と頭皮の健康のために気を付けたい生活習慣を紹介します。

① バランスの取れた食生活

髪の主成分である「ケラチン」はタンパク質から作られます。また、ビタミンやミネラルも育毛に不可欠です。

  • 摂取したい栄養素の例
    • タンパク質(卵、大豆、鶏むね肉など)
    • ビタミンB群(豚肉、納豆、バナナ)
    • 亜鉛(牡蠣、牛肉、ナッツ類)
    • 鉄分(赤身肉、レバー、ほうれん草)

栄養バランスの偏りや、極端なダイエットは抜け毛の原因にもなるので注意が必要です。

② 睡眠の質を高める

髪の毛は、主に睡眠中に成長ホルモンの働きで作られます。とくに22時~2時のゴールデンタイムには、細胞の修復と再生が活発になります。

  • 理想の睡眠時間:7〜8時間
  • 快眠のポイント
    • 就寝1時間前はスマホやテレビを避ける
    • 就寝前に軽くストレッチ
    • アルコールは控えめに

③ ストレス管理

ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、血流を悪化させて髪の栄養供給を妨げます。長期的なストレスは薄毛の原因になることも。

  • ストレス対策
    • 軽い運動(ウォーキング・ヨガ)
    • 趣味の時間を確保する
    • 深呼吸や瞑想でリラックス

④ 喫煙・過度の飲酒を控える

  • 喫煙:毛細血管を収縮させて頭皮の血流を悪化させ、育毛成分の吸収を妨げます。
  • 飲酒:アルコールを分解する際にビタミンB群を大量消費し、髪に必要な栄養が不足しがちになります。

⑤ 頭皮を清潔に保つ

皮脂やフケの蓄積は毛穴を詰まらせ、発毛剤・育毛剤の浸透を阻害します。毎日シャンプーを行い、頭皮を清潔に保ちましょう。

  • 刺激の少ないアミノ酸系シャンプーを使用
  • すすぎ残しに注意

自宅でできる!頭皮マッサージの方法

頭皮マッサージを習慣にすることで、血流が改善し、毛根に十分な栄養が届きやすくなります。ここでは、発毛・育毛を促進するマッサージ方法を紹介します。

【基本のマッサージステップ(所要時間:5分)】

  1. 手を温める
    • まず両手をこすり合わせて温めます。
  2. 指の腹を使って頭頂部をプッシュ
    • 両手の指の腹で、頭のてっぺんをゆっくり押します。
    • 3〜5秒かけて押し、ゆっくり離すのを数回繰り返します。
  3. こめかみを円を描くようにマッサージ
    • 指の腹でこめかみを円を描くように回します(左右同時に)。
    • 10回程度繰り返します。
  4. 前頭部から後頭部へ流す
    • おでこから頭頂部、後頭部に向かって、指を使って軽くさすります。
    • 血流を後頭部へ流すイメージで。
  5. 耳の後ろから首筋も軽くほぐす
    • 耳の後ろから首筋も優しくもみほぐすことで、全体の血流促進効果がアップします。

【注意点】

  • 爪は立てず、指の腹を使う
  • 強すぎる力は逆効果
  • 発毛剤や育毛剤を塗布する前後にもおすすめ

Q&A:発毛剤・育毛剤に関するよくある質問

Q. 育毛剤は毎日使った方がいい?

A. はい、継続使用が効果のカギです。
育毛剤は作用が穏やかなので、毎日朝晩など継続的に使うことで、頭皮環境を整えながら抜け毛を防止します。

Q. 発毛剤はいつから効果が出ますか?

A. 早くても4〜6ヶ月ほどは見ておくと良いです。
毛周期の関係で、すぐに毛が生えてくるわけではなく、継続が前提です。

Q. 副作用はある?

A. 発毛剤(ミノキシジル)にはまれにかぶれ、かゆみ、頭皮の赤みなどがあります。
使用前にパッチテストや薬剤師への相談を推奨します。

Q. 育毛剤と発毛剤、併用していいの?

A. 基本的には併用不可です。
一部併用可能ですが、医師または薬剤師に相談を推奨します。

医療機関での治療はどう違う?

発毛剤・育毛剤で効果が薄い場合、AGA・FAGA専門クリニックでの治療が選択肢になります。

クリニックでの治療内容

  • ミノキシジルの内服薬処方(市販ではNG)
  • フィナステリド、デュタステリドなどの抗アンドロゲン治療
  • メソセラピーやHARG療法などの再生医療

まとめ

発毛剤と育毛剤は「毛を生やすか・育てるか」という目的の違いで選ぶべき製品が変わります。

  • 発毛剤は毛を増やす目的(進行性の薄毛)
  • 育毛剤は毛を守る・育てる目的(予防や初期)

症状や頭皮の状態に応じて、適切な製品を選んでください。

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