美容や健康を意識する人々の間で、近年特に注目を集めている成分があります。それが「プラセンタ」です。
プラセンタは、元来は医療現場での使用歴があり、現在ではサプリメントやドリンク、美容液など、幅広い形で取り入れられるようになっています。
ただし、プラセンタ製品の中には品質や安全性に大きな差があり、さらに効果効能について過剰に表現されている広告も少なくありません。
正しい知識を持って選ぶことで、自分に合った形でプラセンタを取り入れることができます。
プラセンタとは?
プラセンタの定義と由来
プラセンタとは、日本語で「胎盤」を意味します。胎盤は、母体と胎児をつなぎ、栄養や酸素を届ける重要な器官です。
その胎盤から抽出した成分が「プラセンタエキス」です。豊富な栄養素を含むため、美容や健康サポート成分として利用されています。
原料の種類(ヒト・馬・豚・植物)
プラセンタといっても、その原料はさまざまです。
- ヒト由来プラセンタ
医療機関で使用される注射薬(医薬品)として存在。市販の健康食品には使用不可。 - 馬由来プラセンタ
アミノ酸含有量が高いとされ、高価格帯の商品に多い。 - 豚由来プラセンタ
国内で最も多く流通。コストパフォーマンスに優れ、比較的手に取りやすい。 - 植物性プラセンタ(正確には胎座エキス)
動物由来を避けたい方向け。胎盤ではなく種子や胎座部分から抽出。
含まれる成分例
- アミノ酸(ロイシン、リジン、グルタミン酸など)
- タンパク質の構成要素で、体内のさまざまな働きをサポートします。プラセンタには必須アミノ酸を含む複数の種類が自然に含まれています。
- ペプチド
- ビタミン(B群など)
- ミネラル(鉄、亜鉛など)
- 核酸
- 体内の細胞活動に関わる物質。食品からの摂取も可能ですが、年齢とともに合成量が減るため、補助的に取り入れる人もいます。
- 酵素類
プラセンタの歴史|古代から現代までの歩み
古代文明におけるプラセンタの使用
- 古代エジプト
- クレオパトラが美容と健康維持のために利用していたと伝えられています(伝承)。
- 胎盤や動物の臓器は、生命力を象徴するものとして貴重視されていました。
- 古代中国
- 漢方の古典『本草綱目』にも「紫河車(しかしゃ)」として登場。
- 紫河車は乾燥させたヒト胎盤で、滋養素材として扱われていました。
中世〜近代のプラセンタ利用
- ヨーロッパ中世
- 宮廷医療の一部で、動物の胎盤が滋養食として用いられることがあったと記録されています。
- 19世紀のヨーロッパ
- 医学の発展に伴い、胎盤の成分研究が進み始める。
- 薬理学的な視点で「栄養素の豊富さ」が注目される。
現代医療とプラセンタ研究
- 1950年代(日本)
- プラセンタ注射の研究が始まり、医療用製剤として利用が広まる。
- 主に肝機能のサポートなど医療分野での活用が進む。
- 1970年代〜2000年代
- 化粧品原料としてプラセンタエキスが注目される。
- 美容業界では「保湿」「ハリ感」などのケア目的で配合される製品が増加。
現在のプラセンタ市場
- サプリメント、ドリンク、化粧品など多様な形態で提供。
- 豚由来、馬由来、羊由来など原料のバリエーションが広がり、ニーズに合わせて選べる時代に。
- 研究はアミノ酸、ペプチド、成長因子などの成分に注目し、安全性や品質管理の基準も整備されてきています。
プラセンタを摂取することで一般的に期待されること
プラセンタは、アミノ酸・ビタミン・ミネラル・核酸など、多彩な成分を含む栄養素材です。
美容や健康サポートを目的として古くから利用されており、以下のような点が一般的に期待されています。
- 栄養補給による健康維持サポート
幅広い栄養素を含み、日々の食生活を補う目的で活用されます。 - 年齢に応じた美容ケア
肌のハリやツヤを保つためのサポート成分として、美容分野で人気があります。 - ライフステージに合わせたコンディション維持
女性特有の変化(PMS、産後、更年期など)に伴う体調管理の一助として使われることがあります。 - 日々の活動や疲労感のケア
アミノ酸がエネルギー代謝や筋肉の回復に関与するため、活動的な毎日を支えます。 - 気分や生活リズムの整えサポート
含まれるアミノ酸の一部は神経伝達物質の材料となり、心身のバランス維持を助けます。
※本情報は一般的な栄養学的知見に基づくもので、特定の効果を保証するものではありません。
プラセンタの剤形(使用方法)
サプリメント(カプセル・錠剤)
- 持ち運びやすく、摂取量をコントロールしやすい
- 加熱処理・酵素分解など製造法で吸収率が異なる
ドリンク(液体タイプ)
- 即効性を感じやすいという声も
- 味や香りが気になる場合もある
美容液・化粧品
- 肌表面に直接塗布するタイプ
- 角質層までの浸透を目的とした製品が多い
注射(医療機関)
- ヒト由来プラセンタを使用
- 健康保険が適用されるケースと自由診療のケースがある
プラセンタの選び方のポイント
原料の種類で選ぶ
- 馬由来:アミノ酸含有量が高く、希少性が高い
- 豚由来:流通量が多く、コストパフォーマンスに優れる
- 植物性:動物由来を避けたい人向け
含有量の目安
- 豚由来プラセンタ:1日あたり 100mg〜350mg(乾燥粉末換算)程度が多い
※生プラセンタ換算では数千mgに相当することもあります(例:3,000〜15,000mg換算)。 - 馬由来プラセンタ:1日あたり 150mg〜500mg(乾燥粉末換算)程度が多い
※馬由来は希少なため、豚由来よりやや高価格で配合量が控えめな傾向も。 - ドリンクは1本あたりの含有量と飲用頻度をチェック
製造方法
- 加熱処理:安全性は高まるが一部成分が変性する可能性
- 酵素分解:分子を小さくして吸収率を高める加工
添加物の有無
- 香料や着色料、保存料が少ない製品が好まれる傾向
病院で使わるプラセンタとサプリのプラセンタの違いは?
1. 成分・由来の違い
- 病院で使われるプラセンタ(医療用)
- 主にヒト由来(ヒト胎盤)
- 厚生労働省の承認を受けた製品(例:メルスモン、ラエンネック)
- 日本国内での提供は注射や点滴が中心
- ヒト胎盤を加熱・分解・滅菌など安全管理の工程を経て製造
- 医師が診察後に投与量や期間を決定
- サプリのプラセンタ(健康食品)
- 豚由来や馬由来が多い(まれに羊由来)
- 食品扱いのため、医薬品のような臨床試験や承認は不要
- カプセル、タブレット、ドリンク、粉末など多様な形状
- 健康維持や美容サポートを目的として販売
2. 用途・目的の違い
- 病院で使われるプラセンタ
- 承認されている効能は「更年期障害に伴う症状の改善」や「肝機能障害の改善」など
- 保険適用になる場合がある(適応症による)
- 医師の判断でのみ使用可能
- サプリのプラセンタ
- あくまで栄養補助食品
- 効果効能を謳うことはできず、「美容や健康維持のサポート」として紹介される
- 継続的なセルフケア目的で利用されることが多い
3. 安全管理の違い
- 医療用プラセンタ
- ドナーの健康状態確認や感染症検査など厳格な管理
- 高圧蒸気滅菌などの処理を経て提供
- 薬事法に基づいた製造管理
- サプリメント
- 食品衛生法に基づいた製造管理
- 医療用ほど厳格ではないが、GMP認証工場などで製造される製品も多い
- 動物由来原料は加熱・分解処理で安全性を確保
馬由来プラセンタと豚由来プラセンタの比較
項目 | 馬由来プラセンタ | 豚由来プラセンタ |
---|---|---|
主な産地 | 日本国内、ニュージーランドなど衛生管理の高い地域が多い | 日本国内、カナダ、EU圏など |
アミノ酸含有量(傾向) | 一般に種類・量が豊富とされる | 必要なアミノ酸は十分含有 |
分子量 | 比較的小さめで吸収しやすいといわれる | 製造法によって異なるが標準的 |
臭い | 臭いが少ない傾向 | 独特の匂いが残る場合もある |
希少性 | 出産頭数が少なく希少 | 比較的入手しやすい |
価格帯 | 高め | 比較的リーズナブル |
アレルギーリスク | 低いとされるがゼロではない | 低いとされるがゼロではない |
加工方法 | 低分子化・酵素分解など高付加価値加工が多い | 酵素分解や加水分解など多様 |
馬由来プラセンタの特徴
- 馬は妊娠回数が少なく、胎盤自体が希少であるため、成分密度が高い傾向
- アミノ酸やペプチド、成長因子などが豊富に含まれるとされる
- 匂いが少なく、カプセルやドリンクに加工しても飲みやすい場合が多い
- 価格は豚由来より高めで、プレミアムサプリや美容ドリンクに採用されやすい
豚由来プラセンタの特徴
- 国内外で広く利用され、医療分野(注射薬の原料など)でも実績がある
- 成分は馬由来と同様にアミノ酸、ペプチド、ミネラルなどを含む
- コストパフォーマンスが良く、サプリや化粧品に幅広く採用
- 匂いが気になる場合はカプセル化や香料で工夫されている
選び方のポイント
- 成分重視 → アミノ酸・ペプチドの種類が豊富な傾向のある馬由来
- コスパ重視 → 安価で続けやすい豚由来
- 飲みやすさ重視 → 臭いを抑えた馬由来や加工済み豚由来
- 安全性重視 → 国産原料・トレーサビリティ明確な製品
おすすめプラセンタサプリ
母の滴 サラブレッドプラセンタ100
特徴:馬由来で低分子化、吸収効率に配慮。
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DHC プラセンタサプリ(豚由来)
特徴:アミノ酸やペプチドを含む、手軽なカプセルタイプ。
フラコラ プラセンタつぶ
特徴:濃縮豚プラセンタエキス末を配合、飲みやすい小粒サイズ。リポソームビタミンCを追加。
メルスモン プラセンタカプセル
特徴:医療用プラセンタを製造するメーカーのサプリメント。
JBP ポーサインプラセンタ
特徴:高純度精製の豚由来プラセンタ。
Q&A(よくある質問)
Q1. プラセンタはどれくらい続ければよいですか?
A. 健康食品の場合、即効的な変化よりも継続的な摂取が前提とされます。1〜3か月を目安に様子を見る人が多いです。
Q2. サプリとドリンクはどちらが良いですか?
A. 吸収スピードや使いやすさの好みで選ぶと良いでしょう。成分量とコストも比較ポイントです。
Q3. プラセンタ注射とサプリの違いは?
A. 注射は医療機関で使用されるヒト由来プラセンタで医薬品扱い、サプリは健康食品です。
Q4. 副作用はありますか?
A. ごくまれにアレルギー反応が報告されています。初めての場合は少量から試すのが安心です。
Q5. 男性も使えますか?
A. 性別問わず利用されています。
Q6. 動物由来に抵抗がある場合は?
A. 植物性プラセンタや胎座エキス配合化粧品があります。
Q7. 妊娠中でも使えますか?
A. 安全性が十分に確立していないため、医師に相談を推奨します。
Q8. プラセンタは医薬品ですか?
A. 健康食品や化粧品は医薬品ではありません。ヒト由来注射薬のみ医薬品に該当します。
Q9. 他のサプリと併用していいですか?
A. 成分が重複する場合は過剰摂取にならないよう注意が必要です。
Q10. 保存方法は?
A. 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管します。
セルフケア方法とプラセンタ活用のヒント
食生活との併用
- プラセンタは健康食品のため、バランスの取れた食事が前提
- 良質なたんぱく質(魚・肉・豆類)や野菜・果物と組み合わせる
睡眠と休養
- 睡眠不足は体の回復サイクルを乱す
- プラセンタを摂るタイミングは、就寝前や朝など生活リズムに合わせる人も多い
運動との組み合わせ
- 軽い運動は血流促進に役立ち、栄養の巡りもサポート
スキンケアでの併用
- 美容液や化粧水タイプのプラセンタ製品は、日々のスキンケアに取り入れやすい
まとめ
プラセンタは、胎盤から抽出された栄養素を含む成分で、サプリやドリンク、化粧品など幅広い形で販売されています。
由来や製造方法によって特徴が異なり、用途やライフスタイルに合わせて選ぶことが可能です。
ただし、健康食品や化粧品として販売されているプラセンタは医薬品ではないため、効果を保証するものではありません。
継続的な活用や生活習慣の見直しと合わせることが、より良いコンディション維持につながります。