女性に多いデリケートゾーンの悩みのひとつ「カンジダ症」。 かゆみやおりものの異常など、不快な症状が繰り返されることで、日常生活に大きなストレスを与える疾患です。再発しやすく、恥ずかしさから病院に行くことをためらう人も多いため、市販薬でのセルフケアを選ぶ方も増えています。
この記事では、薬剤師監修のもと、カンジダの基本知識から市販薬の選び方、成分の特徴、具体的なおすすめ商品まで詳しく解説。誰にも聞けなかった疑問を一緒に解決していきましょう。
目次
カンジダ症とは?
カンジダ症は、カンジダ・アルビカンスなどの真菌(カビの一種)が過剰に増殖することによって発症します。常在菌(常にいる菌)であるカンジダは、健康なときは問題を起こしませんが、以下の要因でバランスが崩れると症状が出てきます。
主な発症原因
- 抗生物質の使用
- 妊娠や月経によるホルモンバランスの変化
- 疲労やストレスによる免疫力の低下
- 通気性の悪い下着やナプキンの長時間使用
- 糖尿病など基礎疾患
主な症状
- デリケートゾーンの強いかゆみ
- 白くぽろぽろしたおりもの(カッテージチーズ状)
- 発赤、腫れ、灼熱感
- 性交時の痛み
※カンジダ症は性感染症ではありませんが、性交渉によって悪化することがあります。
市販薬でのセルフケアは可能?
カンジダは一度病院で診断を受けていれば、市販薬で再発時の対応が可能です。特に、以下のような人にとって市販薬は心強い味方となります。
- 医師から再発時は市販薬で対処してよいと指示されている
- 軽度の再発であり、症状が以前と似ている
- すぐに病院へ行けない事情がある
市販薬には、腟剤、クリームタイプ、外用スプレーなどのタイプがあります。
カンジダ治療に使われる主な成分
カンジダ治療に使われるのは抗真菌薬となります。
- クロトリマゾール
- ミコナゾール
- イソコナゾール
- オキシコナゾール
【薬剤師おすすめ】カンジダに効く市販薬一覧5選
メンソレータム フレディCC膣錠
- 【タイプ】:腟錠
- 【成分】:イソコナゾール
- 【特徴】:6日間の連続使用。
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エンペシドL腟錠
- 【タイプ】:腟錠
- 【成分】:クロトリマゾール
- 【特徴】:6日間の連続使用。発泡錠なので腟内に有効成分が効果的に広がる。
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メディトリート
- 【タイプ】:腟錠
- 【成分】:ミコナゾール
- 【特徴】:6日間の連続使用。小型の坐剤
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オキナゾール
- 【タイプ】:腟錠
- 【成分】:オキシコナゾール
- 【特徴】:6日間の連続使用。難治性菌にも効果がある。※1日1回で終わるオキナゾールL600は薬局やドラッグストアで販売中。
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フレディCCクリーム
- 【タイプ】:外用クリーム
- 【成分】:イソコナゾール
- 【特徴】:外陰部のかゆみに直接塗布。
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使用方法のポイント
- 膣錠は就寝前に使用するのが基本。膣内にしっかり留まりやすく、成分が浸透しやすい時間帯です。
- 手は清潔に洗うことが必須。使い捨て手袋や指サック付きならより安心です。
- 外用薬は洗浄後に使用し、患部にやさしく塗り広げましょう。
- 生理中は膣錠使用を避けるのが原則です。
副作用と注意点
- 外用薬で刺激感やかぶれを感じる場合は使用を中止しましょう。
- 膣錠を使用しても3日以内に症状が改善しない、または1週間で完全に治らない場合は医師へ相談を。
- 糖尿病やステロイド使用中の方は再発しやすいため、慎重に対処を。
- フェミニーナ軟膏など抗真菌成分が入っていないものは、カンジダ症の治療薬ではありませんのでご注意ください。どカンジダ治療薬と併用はしないようにしてください。
妊娠中や授乳中の対応
- カンジダは妊娠中に再発しやすく、胎児への直接的影響は少ないものの、分娩時に感染リスクがあるため注意が必要です。
- 市販薬を自己判断で使わず、必ず産婦人科で相談しましょう。
- 授乳中でも一部の市販薬(外用薬)は使用可ですが、乳児に触れない部位で使うこと。
市販薬が効かない場合は?
- 症状が改善しない、悪化する、繰り返す場合は耐性菌の可能性あり。
- 細菌性膣炎、トリコモナス感染症など別の感染症の可能性もあるため、婦人科での検査が必要です。
病院受診のタイミング
以下のような場合は婦人科受診をおすすめします:
- 市販薬を使っても改善しない・再発を繰り返す
- おりものに悪臭・色の変化がある
- 排尿や性行為時に強い痛みがある
- 初めて症状が出た場合(自己判断が難しい)
繰り返さないための生活習慣
- **通気性の良い下着(綿素材)**を選ぶ
- デリケートゾーンをゴシゴシ洗いすぎない
- お風呂で石鹸を使いすぎない、pHバランスを保つ
- ストレスや疲労を溜めず免疫力を維持
- 糖質を摂りすぎない(真菌は糖を栄養に増殖)
- 過度なナプキン使用やおりものシートはこまめに交換
まとめ:カンジダの早期対処と再発予防がカギ
- 初期症状を見逃さず、早めのケアが重要
- 市販薬でも正しく使えば治癒可能。ただし使用方法や副作用には注意
- 繰り返すなら病院で検査・治療を受けるのがベスト
- パートナーとの関係や生活習慣の見直しも重要なポイントです
自分の体を大切にすることが、再発防止にもつながります。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状に不安がある場合は必ず医師にご相談ください。