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【薬剤師監修】ストレス対策におすすめ市販薬&サプリ徹底解説|成分別の選び方&Q&A付き

現代社会で生きる私たちにとって、ストレスは避けて通れない問題です。仕事や家庭、人間関係、環境の変化など、心身に影響を与えるストレッサーはさまざま。慢性的なストレスは、自律神経の乱れや不眠、肩こり、胃腸の不調、さらには免疫力の低下など、体全体に悪影響を及ぼします。

「最近イライラが止まらない…」「よく眠れない」「仕事に集中できない」そんなあなたに向けて、市販で購入できるストレス対策アイテムを薬剤師の視点で徹底解説します。成分別の効果や選び方、注意点までわかりやすくご紹介。

目次

ストレスとは?その正体と症状

ストレスとは、外部からの刺激(ストレッサー)によって心や体に負荷がかかっている状態を指します。ストレッサーは人間関係、仕事のプレッシャー、睡眠不足、騒音、寒暖差など多岐にわたります。

ストレスを感じ続けると起きる変化【3段階】

第1段階|自律神経が乱れる

  • 寝つきが悪い、朝起きられない
  • 脈が早い・遅い、冷え、汗、食欲不振
  • 理由もなく「なんか体調悪い…」

これは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてるサイン。

第2段階|感情が不安定になる

  • イライラ、怒りっぽい、落ち込み
  • 「あれ?自分ってこんなにネガティブだったっけ…」
  • 小さなことに反応しすぎる

心が「ずっと緊張状態」にあると、感情のリセットができなくなるの。

第3段階|体に“ストレス病”として現れる

  • 頭痛、肩こり、めまい
  • 胃痛、過敏性腸症候群(下痢・便秘)
  • 免疫力低下 → 風邪をひきやすくなる
  • 生理不順、皮膚炎、ニキビ
  • 慢性疲労・不眠

つまり、「気持ちの問題」だけでなく、完全に“体の問題”になる

長期ストレスが続くと起きるリスク

心の病体の病
うつ病・適応障害・不安障害高血圧・心疾患・糖尿病・胃潰瘍
燃え尽き症候群自律神経失調症
パニック障害・過呼吸慢性疼痛・不眠症

市販薬(OTC)で対処するストレス症状

市販薬は、ストレスによって生じた二次的な身体症状(不眠・胃痛・肩こり・頭痛など)に対処する目的で使用されます。

睡眠改善

ドリエル(エスエス製薬)、ネオディ(大正製薬)、リポスミン(皇漢堂製薬)、ハイヤスミンA(福地製薬)

  • 成分:ジフェンヒドラミン塩酸塩
  • 抗ヒスタミン系の成分で、軽度の不眠改善に用いられる睡眠改善薬。
  • 下記OTC成分はすべてジフェンヒドラミン50mgで同じとなります。価格や使用感などで選択するのがよいかと思います。

ユクリズム(ロート製薬)、加味帰脾湯エキス顆粒(クラシエ)

  • 成分:加味帰脾湯
  • 自律神経に働きかけてイライラや緊張を鎮め、不眠症を改善

胃痛

下記に紹介するOTCには胃酸の出すぎを抑えるファモチジンやピレンゼピンが含まれています。ピレンゼピンはファモチジンに比べて胃酸の出すぎを効果は緩やかですが、その分、出すぎた胃酸を中和する制酸剤が配合されています。

ガスター10(第一三共ヘルスケア)

  • 成分:ファモチジン
  • 胃酸の出すぎに。胃痛・もたれなどの胃の不快な症状に。

パンシロンキュアSP(ロート製薬)

  • 成分:水酸化マグネシウム 、沈降炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、炭酸水素ナトリウム 、ピレンゼピン塩酸塩水和物 、チンピ末 、アルジオキサ
  • 胃酸の分泌を抑制して、出過ぎた胃酸を中和し、荒れた胃粘膜を修復・保護。さらに、弱った胃の働きを高める健胃生薬チンピ末も配合。

ガストール細粒(エスエス製薬)

  • 成分:ピレンゼピン塩酸塩水和物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、ビオヂアスターゼ2000
  • つらい胃痛や胃酸逆流などによる胸やけに、出過ぎる胃酸を抑え、胃を保護。

ストレージ(アリナミン製薬)

  • 成分:安中散料エキス
  • 胃の痛みをおさえるだけでなく、ストレスで弱った胃のコンディションを整える。

サプリメントでストレス対策

サプリは、日常的なストレス対策として継続しやすい方法です。以下に人気のサプリとその特徴をまとめます。

ネルノダ(ハウスウェルネスフーズ)

  • 成分:GABA100mg
  • 眠りの深さを促し、 スッキリとした目覚めの向上に役立つ機能をもつ 機能性関与成分GABAを配合。

睡眠サポート カプセルa(大正製薬)

  • 成分:GABA 100mg、クロセチン7.5mg
  • 良質な眠りをサポートする(睡眠の質(眠りの深さ)を高め、中途覚醒回数を減らし、起床時の眠気や疲労感を和らげる)機能があることが報告されているクロセチンを配合

グリナ(味の素)

  • 成分:グリシン 3000mgGABA 100mg
  • すみやかに深睡眠をもたらし、睡眠の質の向上(熟眠感の改善、睡眠リズムの改善)や、起床時の爽快感のあるよい目覚め、日中の眠気の改善、疲労感の軽減、作業効率の向上に役立つ機能グリシンを配合

セントジョーンズワート(DHC)

  • 成分:セントジョーンズワートエキス
  • 古くからヨーロッパでうつ病に利用されてきたセントジョーンズワートというハーブの成分を配合したサプリメント。薬との併用注意(効果を弱めてしまうことも)

ストレス緩和のための生活習慣改善法

市販薬やサプリに加えて、ストレスに強くなるための生活習慣を取り入れることも重要です。

運動

  • 有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリング)はセロトニンの分泌を促し、気分が安定
  • 軽い筋トレもストレス発散に有効。

入浴と入浴剤の活用

  • ぬるめ(38〜40℃)のお湯に15分ほど浸かることで副交感神経が優位に
  • 入浴剤(ラベンダー、カモミールなどの精油入り)を加えることでリラックス効果倍増。

朝日を浴びる

  • 日光を浴びることで体内時計が整い、ストレスホルモンの分泌が安定
  • 特に朝は15〜30分ほどの外出がおすすめ。

旅行や自然とふれあう

  • 日常を離れた環境に身を置くことで脳がリフレッシュされ、ストレスホルモンが減少
  • 森林浴や温泉地、海辺なども有効。

睡眠環境の整備

  • 寝具の見直し(高反発マットレス、低刺激まくら)
  • 就寝前のスマホ断ち、カフェイン断ち

呼吸法・瞑想

  • 腹式呼吸やマインドフルネス瞑想は即効的に心を落ち着ける効果。

Q&A:よくあるストレス対策の疑問

Q. サプリと市販薬は併用できますか?

A. 基本的に併用可能ですが、同じ成分(GABAなど)が重複しないように注意しましょう。またセントジョーンズワートは使用している医薬品の効果に影響が出る可能性もありますので、注意しましょう。

Q. ストレスで眠れないときはどうすれば?

A.生活リズムの改善を行うとともに、睡眠改善薬(ドリエルなど)を短期的に使用したり、サプリの使用をしてみましょう。

Q. いつ病院に行くべき?

A. 日常生活に支障をきたすような不眠・うつ・食欲不振・体重減少などが出た場合は、心療内科や精神科の受診をおすすめします。“行かずに無理し続けるほうが危険”です。

心療内科に行くことは勇気ある行動

心療内科や精神科に行くとき、
「自分はおかしいのかな…」
「周りに知られたくない…」
って思う人、ほんとに多い。でも、それって日本の文化的な影響が大きいだけ。

日本では・・・

  • 「メンタル=弱い」っていう誤解が根強い
  • 「病院に行く=深刻」って思われそうで不安
  • 「自分でなんとかしないとダメ」って思い込んでしまう

海外ではどう?

  • アメリカやヨーロッパでは、“心の専門医=かかりつけ医”感覚で普通に通う人が多いよ。
  • 「カウンセリング受けてる」って言っても驚かれない。

でも、心の問題って、風邪や腰痛と同じくらい“体の調子の一部”。

行くことで得られることはいっぱいある

  • 自分の状態に「名前」がつくと、気持ちがラクになる
  • 薬やカウンセリングで、数ヶ月で変わる人もたくさん
  • 周囲との関係や働き方まで見直せるきっかけになる

迷ってる人へ

  • 「一度、話だけでも聞いてもらおう」くらいの軽い気持ちでOK
  • 市役所や大学・会社の産業医・保健師も相談に乗ってくれる
  • 心療内科=精神科とは限らない!身体症状に寄り添う科でもある)

心療内科・メンタルクリニックの初診の流れ

STEP 1|事前予約(電話 or ネット)

  • ほとんどの心療内科は【完全予約制】
  • 電話で「初診希望です」と伝えればOK
    → そのときに:
    • 現在の症状(例:寝つけない、動悸がする、涙が出る…など)
    • 保険証の有無
    • 紹介状の有無(なくてもOK)
  • 近年はWeb予約が増えてるから、クリニックの公式サイトをチェック。

STEP 2|当日持っていくもの

  • 保険証(健康保険使えます)
  • お薬手帳(服薬中の人)
  • 紹介状(他院に通ってた場合のみ)
  • あればメモ(困っている症状や期間など)

💡ポイント:
自分の状態を「いつから/どう感じてるか」書き出しておくと、伝えやすくて◎

STEP 3|問診票の記入(来院後)

  • 受付後、問診票に記入するよ(10分〜15分程度)
    • どんな症状か?
    • いつから?
    • どんな生活・仕事してるか?
    • これまでの通院歴など

📝 例:「1ヶ月くらい前から夜に不安で眠れない」「仕事中に動悸がして困る」などでOK!

STEP 4|診察(30分前後)

  • 医師との面談(1回目はやや長め)
  • 話す内容は:
    • 現在の症状や悩み
    • 生活習慣や職場・学校のこと
    • 眠り・食欲・気分の変化など
  • 必要に応じて:
    • 血液検査/心理テスト(心理士)を案内されることもあり

💡無理に「ちゃんと話さなきゃ」って思わなくていい。困ってること、つらいことをゆっくりで大丈夫。「うまく話せなくても大丈夫」。 医師は“症状の断片”から判断するプロ。

💡どうしても緊張する場合は、受付で「初診が不安です」と伝える!

STEP 5|診断・今後の方針

  • 軽症の場合:生活指導 or 漢方など
  • 中等度以上の場合:治療薬+休養+心理支援
  • カウンセリング:別日に案内されることもある

STEP 6|会計・次回予約

  • 費用目安(保険3割負担):
    • 初診:約2,000〜4,000円前後
    • 薬代別・検査があれば追加

📌 お薬は院外処方が多く、処方箋を持って調剤薬局へ行くスタイルが多い。

まとめ:ストレス対策は多角的に!

  • 市販薬やサプリで身体的なストレス症状を緩和
  • 運動・入浴・自然・旅行・呼吸法など、生活習慣を見直すことも重要
  • 無理せず、必要なら医療機関のサポートも検討を

心と体はつながっています。できることから少しずつ取り入れ、毎日の生活をより快適にしていきましょう。


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この記事を書いた人

もともと医療業界で働いており、そこから心機一転、他職種に転職しました!

転職してからはエクセルやパワポなどに携わることが多く、使い始めは正直苦労が絶えなかったです。苦労した経験から、分かりやすくエクセルやパワポのスキルをお伝えしていきます!その他、医療に関することも書いていきたいと思います。

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